配色のワザ
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それではそろそろ実践問題。 少ないネクタイとワイシャツでどのようにやりくりするか考えてみましょう(^^)

ワザ1 セパレーション

さてさて、2色の配色のところで、 赤と緑の目に優しくない例を挙げたのを覚えてますか? そう、2色の明度が近いと見づらくなるんでしたよね。 このように、今ひとつな2色の関係を良くする方法があります。 それがこのセパレーションです。
セパレーションとは「分離」という意味。 今ひとつな2色の間に無彩色(白、黒、灰色) を挟むことで、グンと違って見えるのです。
それでは実際にみてみましょう。
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いかがです? 間に挟む無彩色の明度を2色と同じ明度にしないように気を付けて下さいね。
このワザを実際に使うのは、ベルトがよくある例でしょうね。 トップとボトムが今ひとつな時に少し大きめの黒いベルトなんかを挟むと引き締まるわけです。
…ネクタイではあまり関係ないかも知れませんね(^^;
ワザ2 ベースカラー/アソートカラー/アクセントカラー
色の組み合わせを考えるとき、 ベース/アソート/アクセントの3つを考えてみましょう。
この中でベースカラーというのは全体の配色のうち大半を占める色。 冬のコートなどのアウターの色はこの色ですね。
アソートはその次に多い色です。 そうですね…スーツならば前を開いているときのシャツの色でしょうかね。 ジャケットとボトムの組み合わせならばジャケットがベース、 ボトムがアソートですね。
最後のアクセントが全体の5%ほどをしめる色。 ネクタイはおそらくこのアクセントになることでしょう。

それでは、実際にどれくらいの面積比を持っているのでしょうか? ざっと考えてみると次のようになっていそうです。

コート+スーツ
+シャツ+ネクタイ
コート 75%
スーツ(ボトム) 15%
シャツ 5%
ネクタイ 5%
冬物のコートは膝ぐらいまであるものを想定しています。 ほとんどがコートですね。 それだけにコートは落ち着いた灰色やベージュが多いです。 スーツも見えるのは足下なのであまり鮮やかな色は向いていません。
そういうわけでネクタイはアクセントとして個性の強いものを選んでも大丈夫でしょう。 シャツも同じくらいの面積しか見えないのでネクタイとかぶらないように注意して下さいね。
注意点としてはコートは屋内では脱ぐということです。
スーツ+シャツ
+ネクタイ
スーツ 75%
シャツ 20%
ネクタイ 5%
スーツは2つボタンを想定しています。 3つボタンだとスーツ80%、シャツ15%くらいでしょうか。 スーツというのは基本的にフォーマルなものなので色はダーク系か無彩色、 あってもブラウンかベージュ、紺がせいぜいでしょうか。 なかなか彩度の大きいものはありません。
基本としてはネクタイをスーツと合わせてシャツの色を変えるか、 シャツをスーツと合わせてネクタイを変えるか、ですね。 シャツをスーツと合わせるとその色のイメージが強くなりますし、 ネクタイをスーツと合わせるとベーシックな配色になります。 3つとも別の色にする場合はできればシャツを無彩色にするべきでしょう。
ジャケット+ボトム
+シャツ+ネクタイ
ジャケット 40%
ボトム 35%
シャツ 20%
ネクタイ 5%
スーツをジャケットに替えるとぐっとカジュアルに近づいてきます。 色も豊富になってきますしね。 ボトムとジャケットの色を対照的にする場合はシャツは無彩色を。 色数が多くなりそうなときは無彩色を織り交ぜると効果的ですからね。
ジャケットを赤、シャツを黒、ボトムをダークカラー、 ネクタイを黄色にするとあなたもル○ン三世です(笑)
ボトム+シャツ
+ネクタイ
ボトム 40%
シャツ 50%
ネクタイ 10%
秋口や春先、屋内で良くしている格好です。 ネクタイが他のに比べて大きく出るので派手すぎるものはちょっと注意が必要です。 しかし絵柄が全面のものはこうしないと見えませんからね。

ワザ3 無地物と柄物

今まであげてきたものはおおむね大体の色がわかるものでした。 しかし実際にはネクタイにせよシャツにせよ様々な柄であることが多いわけです。

さて、こんな時にはどうしましょう? まず、ネクタイなりシャツなりをみて色が2,3種類に分けられそうならば、 今までに出てきたトライアードやテトラードといった方法を使うこともできます。 しかしそれよりもっとカラフルだったら?

カラフルなのがネクタイなら簡単です。無彩色を使いましょう。 白いシャツ、黒いシャツは何でも使える最終兵器です。
ではカラフルなのがシャツならば?これは結構難しいです。 少なくとも同じように柄の派手なネクタイだけはしない方がいいですね。 鏡を見るとかなりの確率で自分がいやになってしまいます。
私としては、できるだけ無地に近いものを選ぶか、 そもそもネクタイはしないかのどちらかでしょうね(^^;

ついでにもう一つ、スーツ/ジャケットとシャツ、 またはシャツとネクタイの組み合わせで柄物を重ねるのはかなり難しいです。 特に、縦縞に縦縞、とか水玉に水玉、 といった同じパターンを重ねるのはかなり勇気がいることと思います。 


ワザ4 スプリット・コンプリメンタリー

あまりいないかもしれませんが、どうしてもこの2色が使いたい! という強い要望があるけれどその2色の組み合わせが補色で今ひとつな場合には、 このスプリット・コンプリメンタリーを使います。

これは、補色同士の色の片方を、それに似た2つの色に分けることでできます。 例をみてみましょう。

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左側が橙(v4)と緑(v12)の組み合わせです。 それに対し右側は緑を黄緑(v10)と青緑(v14)の2つに分裂させたものです。 緑の雰囲気をできるだけ損なわず、かつ近似の明度によるちらつきをなくす方法です。
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